一生忘れられない日があったので、はじめまして。
はじめまして。
梶原麻美子と申します。
突然ですが、「心が震えた」経験をしたことがありますか?
例えば、素敵な芸術作品をみたり、
美味しいものを食べたり、
誰かに投げかけられた一言だったり。
そういう、自分の考え方を変えたいと思う、もしくは変えるきっかけになる、背中を押してくれる、そんな経験って人生の中でも何度も何度も訪れるものではないかもしれません。
私はまさかの自分の写真をみて心が震える経験を先日、しました。
(心霊写真的なアレではありません。)
実は私、firstfilmの在宅社員として働いています。
現在は旦那様のお仕事の都合で長野県に住んでいます。
20代で結婚、妊娠、出産、育児と過ごしていく中で気が付いたら34歳。
今年の夏で35歳です。
永遠に続くと思っていた無敵の10代。
若さは武器だと思っている節もあった20代。
10代より倍速で年と小皺の数が増えている気がしている30代。
まわりの人生の先輩は声を揃えてこう言います。
「35歳から体にガタがくるんだよ」
「気が付いたら40歳になってるよ」
そんな言葉の数々にここ1年は年齢を重ねていくことに怖気付いている私がいました。
でも、なんとかして「40代が待ち遠しい私」に変えられないかと葛藤もしていました。
妻として、母として、働く女性として、世間で「アラフォー」と呼ばれる年齢になる。
それを意識し出すと、なぜだか言葉に言い表せない焦りや不安のようなものがぐるぐる渦巻いてくる。
30代がどんどん終わってしまう焦りなのか。
精神年齢が実年齢に追いついていない違和感なのか。
まだ何かを諦めていない、でも何から始めればいいのかわからないもどかしさなのか。
子供は6歳と4歳でまだまだ手のかかるお年頃ですが、自分でできることもずいぶん増えました。ふと楽になったなぁと感じる瞬間が多くなるとともに突然寂しさに襲われたり。
その寂しさが実は自分に与えられた余裕なのかなぁとも考えてみたり。
そんなことを思いつつも日々忙しく、家族・友人と笑い合ったり、それなりに健康で、ご飯が美味しく食べられる毎日。
こんなありがたいことはないはずなのに、それなのに、心の深ーーーいところには「アラフォー」に対する見えない不安と焦りが渦巻く2016年を過ごしてきました。
そんな中、縁あってウェディングフォト撮影で有名なkuppography(クッポグラフィー)代表の久保真人さんに撮影をしていただく機会があったのが先日1月17日の話。
撮影をしていただくお話は数ヶ月前からあって、私の手帳に何気なく予定として書き込まれてはいました。
でも、スゴ腕人気カメラマンですから、正直どこか半信半疑な部分もあり気が付いたら当日を迎えていたわけです。
(ニキビを作らない努力だけはしましたが、なぜか当日どデカイのがお目見えしてくれました!)
その日は久保さんが新たにスタートさせているプロジェクト、In the forestの撮影。
In the forest(インザフォレスト)では、被写体となった人の内面を表現する本質的な人物写真を撮影しています。
昔から写真を撮られるのが苦手な私。
可愛いわけでもないしスタイルが良いわけでもない。
そんな不安やコンプレックスを隠すためなのか、今持っている自分の写真は全部ピースをしてがっつり笑顔を作っているものばかり。
大丈夫かな・・・大丈夫かな・・・と新幹線に乗り込んだわけです。
(恐ろしいほどネガティブワード連発。笑)
その日の撮影は横浜にある根岸森林公園で行われました。
大雪の長野とは打って変わって快晴!
初めてお会いする久保さんは気さくで伺えば同い年。アラフォー予備軍だ!お子さんもほぼ同年代で勝手に親近感湧きまくりです。
そうは言っても実力、発想力、行動力ともに異次元レベル。
私なんかが勝手に親近感湧かせちゃいけないくらい素晴らしいカメラマンさんです。
メールのレスポンスもむちゃくちゃ早い。そこからでも真似しよう・・・そこからでも!
撮影は案の定恥ずかしくて慣れなくてうまくポーズが取れない私。
しかし、さくさくと撮影は進んでいきます。
どうしてもヤンキー座りになってしまい指導をうける。こころなしか顔つきもオラついてる。理由はわからない。
2時間ほどで無事撮影も終わり、横浜の大変おしゃれなところに食事にいきました。
(左から弊社社長の川久保、久保さん、私。)
そこで久保さんは早速撮影したデータをパソコンへ。
「こんなかんじでーす」
と、さらっと見せていただいた写真にただただ驚いてキャーキャー興奮する悩めるアラフォー予備軍。
そこには紛れもない34歳の今の私がいて。
いつこんな表情したんだろうというような写真。
光のなかで誰かに何かを見透かされているようなドキッとするような写真。
あれだけ自分の顔が好きになれないと思っていたのに、いつも元気で明るくてサバサバしている私の大好きな母に顔も手のシワも首筋の雰囲気もそっくりの自分が時々みえてくる。
そんなこんなで撮影していただいた写真の一部がこちら。
photo by Masato Kubo
一言で言えば心が震えました。
そして悩めるアラフォー予備軍は思いました。
今の自分を認めてあげていなかったなぁと。
まだまだやれる、こんなんじゃだめだ、今日もアレができなかった、コレができなかったとばかり思いながら過ごしていたなぁと。
40代の自分が今の私を振り返ってみたら、「若かったなぁ」と思うだろう。
そう感じてしまうのが怖かったのではなく、このままじゃだめだとばかり思いながら年を重ねていくのが怖かったんだなと気が付きました。
まずは今の自分を認めてあげることからだ!
34歳の私、ここまでよくやってきた!イケてるぞ!笑
翌日、早速データをいただきました。
やっぱり何度見ても心が震える。
パソコンにめり込みそうな勢いで覗きこむ。というかめり込んでた。
何がどうなってんだこの写真。なんでこんなに私の心にズキュンズキュンくるんだ!
これが私の一生忘れられない心が震えた経験。
あの日撮影していただいた写真は第三者が見たらどう感じるかはわかりません。
それに、永遠に続くと思っていた無敵の10代の頃なら、「なんか、あざす!」
若さは武器だと思っている節もあった20代でも「おしゃれな写真、あざす!」
くらいにしか思えなかったかも。
よかった、34歳で。
何より、今の自分を客観的に見ることで、これからの自分に期待をもてるような、そんな気持ちになれたことが嬉しかったです。
悲しいかな、年齢を重ねていくとともに、なんとなく、こうやったらこうなる、というような先や結果がわかっているような自分になってきてもいました。
変わるためには動けばいいのに、ただ動くだけなのに、いろんなことを言い訳にする。
そのくせに、何かが向こうからやってくると思っている節もある。
写真を通して自分を見つめ直すことで、知ることのなかった自分の魅力に気づくことができる。一枚の写真が、一回の撮影体験が、そんな、人生を変えるきっかけになるかもしれません。
その通りでした!久保さん!ありがとうございました!
正直、写真は私のパソコンの中だけにひっそり忍ばせて、ひとりでコソコソ見たい。そしてその時の感情も自分の心の中だけに止めておきたい。恥ずかしいから。誰になんて言われるかわからなくて怖いから。そう思ってしまうタイプの人間です。
でも、今回ばかりは撮っていただいた写真と、そのときの感情を無駄にしたくないと思ったのも事実。
これからは私もしっかり与える側になりたいと、純粋に思いました。
そうしたらなんとなく、今の私なら一歩踏み出せるような気がしてきたので、そんな勇気を写真からもらったので、まずは苦手な自分の心の内をさらけだすブログから初めてみた次第です。
そうやって一歩一歩逃げずにいろんなことをやっていった5年後の私には何が見えているんだろうと不思議と楽しみになってきました。
待ってたぜ、この気持ち!笑
1月17日は長野に帰ってきたら夜も遅く、
バスの運行も終わっていたのでタクシーで帰ることに。
運転手さん「今日はどちらから?」
私「東京に日帰りで・・・」
なんて警戒しながら受け答えをしていました。
ものすごい大雪でひどい道路状況なのに、めちゃくちゃ安心感のある運転だなぁと思いながら。
それからなんとなく、そういえば今日は阪神大震災から22年目の日だなぁとぼんやり考えていた時運転手さんが
「ぼくね、神戸の人間でね。阪神大震災のあの日家が全壊して3時間埋まってて。頼れる人間がなんとか長野におったからあの日から今日までここにおるんや。なんであの日オレも潰れてしまわんかったんやろ。なんで生きとんやろ。」
とっさに「え!そうだったんですね!」としか言えず。
私は香川県の高松市出身で被害は少なくとも小学生の頃にあった阪神大震災を身近に感じていました。それから会話もどんどん弾み、あっという間に我が家に到着。
まだまだ話し足りないくらいで、車を降りる時に気が付いたら、
「長生きしてくださいよ!」と捨て台詞をはいてる自分がいました。
「なんで生きとんやろ」って言葉。あの時それに対して何も言えなかったけど、次会えたら「絶対また会いたいと思ってました」って伝えたい。
(いや、ぜひIn the forestへ!と伝えたほうがいいかもな)
少なくとも私はあの安心感のある運転に感動していたし、おしゃべりであんなに楽しい空間を作り、疲れを忘れさせてくれたことに感謝しかなかった。
きっと誰かに何かを与えるってこういうことなんだろう。
感動したり、生活がちょっと楽しくなったり、また会いたい、そんな風に思ってもらえること。
生きていく中でそういう感情をもつこと、心が震える経験を、できるだけ沢山した方が良いに決まってる。
自分から逃げずに正直に発信していくことで、まずは自分の周りの人たちから、そして私と同じような環境にいるアラフォー予備軍のママさんにもいずれはなにか届いて欲しいなぁと、そう決意した日でした。
そうそう、運転手さんは私の捨て台詞にさくっと言ってくれましたよ、さくっと。
「お嬢ちゃん、ありがとうな!」
お・・・お嬢ちゃん・・・お嬢ちゃんて!
そう、まだ私、
お嬢ちゃんなんです!
(異論は認めません)
こ・・・心が震えたー!
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